新年度なので部署でモチベーションを共有してみた~ムービング・モチベーターズでチームのモチベーションを可視化しよう~
新年度を迎えてから、早いもので2カ月以上がたちました。
新卒スタッフがチームに加わるなど、新しい仲間も増えました。しかし、引き続きのコロナ対策で直接の会話が少ないため、お互いを深く知るためのコミュニケーションが不足しているように感じることがあります。
そこで、チームメンバーへの理解を深めるということを目的に、TSDでムービング・モチベーターズを開催しました。
ムービング・モチベーターズとは?
ムービング・モチベーターズとは、Management 3.0における「モチベーションを可視化するためのゲーム」です。Management 3.0はJurgen Appelo氏が考案したマネジメント手法です。アジャイルやスクラムでいう「自己組織化した組織」を作るためのワークショップやノウハウなどが提供されます。
その中でもムービング・モチベーターズは10個のモチベーションの源泉となるキーワードが書かれたカードを使うゲームで、自分と相手のお互いのモチベーションを理解するのに役立ち、自分自身をよく知るための内省の1つとして有効だと言われています。
オンラインによるムービング・モチベーターズの進め方
今回はTeams会議を活用したオンライン形式でムービング・モチベーターズを開催したので、どのように開催したかを紹介します。
0. 事前準備
まず、事前に参加メンバーのモチベーションの順位をアンケート形式で収集します。今回のテーマは「仕事、あるいは会社に対して感じるモチベーション」に設定しました。
仕事か会社に対して感じるモチベーションについて順位をつけてもらうために、アンケートはMicrosoft Formsのランキングを利用しました。
収集したアンケートは、イベント当日全員に共有します。FormsにExcelでエクスポートできる機能があるので、見やすいように整形して参加者に共有しました。
モチベーションとなる10種類のキーワード一覧は以下です:
キーワード | 説明 |
---|---|
受容 | 私の周りの人が、私がやっていることや私らしさを認めてくれる |
好奇心 | 調査したり、考えたりしたいことがたくさんある |
自由 | 私は自分自身の仕事と責任で他人から独立している |
地位 | 私の職位は、優れていて、いっしょに働いている人たちから認められている |
ゴール | 私の人生の目的が、私がしている仕事に反映されている |
名誉 | 私個人の価値が私の働き方に反映されていることを誇りに思う |
秩序 | 安定した環境のための十分な規則と方針がある |
熟達 | 私の仕事は難しいが、まだ能力の範囲内にある |
権力 | 私の周りに起きることを自分で左右できる裁量がある |
関係性 | 私は仕事でかかわる人々と良好な社会的つながりを持っている |
1. グループ発表とアイスブレイク
オンラインでの開催の場合、人数が多ければ多いほど話し合いがスムーズに行いにくくなります。
そこで今回はTeamsのブレークアウトルームを利用し、1チームを3人から4人に分けてグループワークを行うことにしました。ブレークアウトルームとはTeamsの会議参加者を少人数のグループに分ける機能です。
ブレークアウトルームへチームを振り分けるのに少し時間を要するので、その間はあらかじめまとめたアンケート結果を配布し眺めていてもらいます。また、ブレークアウトルームに移動したチームからアイスブレイクとして自己紹介を行います。
ディスカッション開始のタイミングは、ブレークアウトルームのアナウンス機能を利用します。
ブレークアウトルームの作り方
ブレークアウトルームはTeamsの「ルーム」というメニューから作成します。
続いて、部屋を作成する画面が表示するため、ブレークアウトルームを作成する数と、メンバーの振り分けを手動で行うか、自動で行うかを入力します。ブレークアウトルームの最大作成数は2022年6月時点で最大50個です。
ブレークアウトルームを作成後、メニューから「ルーム」を開くと会議室が作成されています。手動でメンバーを振り分ける場合は「参加者の割り当て」というボタンから行います。参加者の割り当て後、「開始」というボタンを押すと、各部屋に割り当てられたメンバーが強制的に移動し、ブレークアウトルームで会議が開始されます。ブレークアウトルームでは、基本的にTeams会議と同等の機能(録画やアプリなど)が利用可能です。
各部屋へ一斉にテキストチャットを送信するには、「メガフォン」のアイコンをクリックします。
Teams会議の主催者は、ブレークアウトルームの管理者という立場ですべてのルームに参加が可能です。Teams会議の主催者とは別に、ブレークアウトルームの管理者を別のメンバーに設定することもできます。
2. モチベーションの共有
アイスブレイクをして場が温まったら、1人ずつ自分が選んだモチベーションの共有をします。
内容は、
- モチベーションのTOP3
- なぜその順番にしたのか
- 自分なりの「キーワード」の解釈
- TOP3のモチベーションについて、現在の仕事で満たせているか
を中心に発表してもらいました。
3. みんなでディスカッション
発表を終えたら、他のメンバーが大事にしているモチベーションを聞いて気が付いたことや感想を共有します。
同時に、他人が現在の仕事で満たされていないと考えるモチベーションについて、何をしたら満たすことができるか、アイディアを話します。
4. 全員でまとめ
最後に、各グループで発表した気づきを参加者全員に共有します。
グループでどんな話題が上がったか、何に対するモチベーションが多かったか、得た気づきや参加した感想などを、代表者が3分程度で簡単に共有します。
「ムービング・モチベーターズ」をやってみて
「ムービング・モチベーターズ」をやってみて、チームのモチベーションについて可視化できたのがいちばんよかったなと感じています。
以下の画面キャプチャはMicrosoft Formsのアンケート結果なのですが、このようにしてみるとチームに属する方がどのようなモチベーションを持っているかが直感的にわかります。
TSDでは「好奇心(調査したり、考えたりしたいことがたくさんある)」、「熟達(私の仕事は難しいが、まだ能力の範囲内にある)」に対してモチベーションを感じる方が多い傾向にありました。エンジニアリング組織として必要な素質の1つである気がします。
先のキャプチャは総合的な結果なのですが、さらにデータを細かく分析するとさらに考察が広げられそうです。例えばTSDでは、ディレクター職のモチベーショントップ3は「好奇心・秩序・受容」、エンジニア職のモチベーショントップ3は「好奇心・自由・ゴール」となりました。職種別やキャリア別でもモチベーションが異なることがわかりました。
このようにモチベーションの傾向を知ることで、今後のチームビルディングに役立てたり、モチベーションをさらに高めるためのイベントを企画したりすることができそうです。
また、モチベーションという個人の価値観を他人に開示し、それを受け入れてもらうことで、チームの心理的安全性を高めることにつなげられる可能性があります。
何にモチベーションを感じるか?は環境や役割の変化に応じて変わるとされます。定期的にムービング・モチベーターズを開催することで、組織のモチベーションの変遷をたどることができるようになり、組織のパフォーマンスを向上させるための気づきをより多く得られるかもしれません。
この記事を書いた人
古川
犬を2匹飼っています🐶🐶
ミツエーテックラジオでもスピーカーをしています。ぜひ聞いてください!
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